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2009年8月27日 はてなブックマーク - 『笠碁』の録音を聴いたときには、ひっくり返りましたね。8月17日発売の『昭和の名人』は第17巻「十代目金原亭馬生(弐)」ですこのエントリーを含むはてなブックマーク Twitterにつぶやく

『笠碁』の録音を聴いたときには、ひっくり返りましたね。8月17日発売の『昭和の名人』は第17巻「十代目金原亭馬生(弐)」です

2718109109  エー、毎号、発売日に更新します! なんて啖呵を切っておきながら、1週間以上も遅れてしまいました。先ずはお詫び申し上げますが、言い訳ってエとナンですが、

『昭和の名人』のほかに2本、仕事を抱えちまいまして。1本は『サライ』10月号(9月10日)の「志ん朝特集」、もう1本は書き下ろしの単行本でして、著者は小林茂子氏。この名前にピンと来たら110番、じゃなかった、アナタは相当な落語通でげす。
 三代目桂三木助の長女で、四代目三木助の姉。「桂三木助」の家に生まれた女性が、弟・四代目の死から8年を経て、赤裸々に綴る半世紀。タイトルは立川談志師匠からいただいた言葉『生きてみよ、ツマラナイと思うけど』。9月25日発売です。前半は笑い、後半は涙、それでも最後は、希望の光にあふれてます。素晴らしき哉、人生!でげす。ぜひご購読を。
 エー…、余計な宣伝はこのくらいにしておきまして、先週(8月17日)発売の『昭和の名人』は第17巻「十代目金原亭馬生(弐)」です。名前は超有名というわけではございませんが、この噺家、志ん生の長男で、志ん朝のお兄さんです。上手くないわけがない。第11巻(馬生の壱)をお聴きになった方には今さら申す言葉もありませんが、TBSラジオさんから拝借した『笠碁』(第11巻CDに収録)の録音を聴いたときには、ひっくり返りましたね。とにかく面白い。それも、ギャグ連発の面白さじゃなくて、「間」が素晴らしい。ふたりのご隠居(主人公)の心理も、言葉を弄せず、「間」で見事に描写してます。しかもこれが39歳の録音なんですから……。
 前回の壱では30歳代の録音ばかりでしたが、今回の第17巻CDには、40歳での『首ったけ』のほか、最晩年の口演から『佐野山』と『初天神』を収録してます。早世の噺家ですから、最晩年といっても54歳。30代と違うのは、人間を見つめるまなざしの温かさが、格段に増していることでしょうか。このまま長生きしてくれていたら、と痛切に思います。
 馬生の長女は、女優の池波志乃さんですが、その志乃さんによれば、家ではとても穏やかで、決して声を荒げず、子供とは徹底して話し合う。何かを訊けば、基本からきちんと丁寧に教えてくれる。そんなお父さんだったそうで、これは、家庭を顧みず、家族に苦労をかけていた父・志ん生を反面教師としたのでしょう。
 けれども面白いことに、馬生の語り口はところどころ、ハッとするほど、父・志ん生に似ているんです。志ん朝と志ん生はそれほど似ていませんが、馬生と志ん生の芸には驚くほど似たところがある。試しに『昭和の名人』の志ん生の巻(第2巻第9巻)と聴き比べてみてください。落語がいっそう楽しくなります。

■『落語 昭和の名人 決定版』編集長・小坂眞吾

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