『三溪園』で美術品と古建築を楽しむ
開港150周年を迎える横浜。市の南東部、本牧にある『三溪園』は生糸貿易で成功した実業家、原三溪こと、原富太郎の広大な自邸を公開したもの。歴史的建造物と四季折々の自然美が来訪者の目をひきつけます。そして今年は、開港150周年記念の特別展「原三溪と美術」が10月31日~11月30日に行なわれます。三溪が蒐集した美のコレクションを愛でに出かけてみませんか。
明治39年、原三溪が自邸を公開したことに始まる三溪園。国指定名勝であり、国指定重要文化財10棟を含む17棟の歴史的建造物が点在しています。聖武天皇の勅願寺・京都燈明寺にあった「旧燈明寺三重塔」や、織田信長の弟・有楽斎の作とも伝わる茶室「春草廬」、京都二条城にあった徳川家光・春日局ゆかりの楼閣建築「聴秋閣」など。三溪が情熱を傾けて、京都や鎌倉から移築した建造物は、一見の価値があるものばかりです。これらの建造物を彩るように春は桜、夏は躑躅や藤、そして秋は色鮮やかな紅葉が楽しめます。紅葉の見頃は例年11月中旬からですが、かすかに色づき始めた木々に深秋を感じるのもいいものです。
さらに今年は、開港150周年記念として、原三溪が蒐集した美術コレクションの逸品約40件が特別展示されます。これらは三溪没後、三溪園を離れてしまった名品で、今回、ふたたび集結するものです。国宝や重要文化財を含む展示品は中国・中世絵画、仏教美術、墨蹟、工芸品・茶碗、近世絵画、近代絵画で、三溪の審美眼に適った、品格あるコレクションです。
↑伎楽面 迦楼羅(重要美術品) MIHO MUSEUM所蔵
↑愛染明王像(重要文化財) 細見美術館所蔵
↑木製多宝塔(重要文化財) 三溪園所蔵
特別展が行なわれる三溪記念館には、本格的なお手前の接待を気軽に受けられる呈茶処もあり、ひと休みに格好です。
この特別展と前後して、~11月23日は、『菊花展』、11月21日~12月13日には『紅葉の古建築公開』、さらに紅葉のライトアップなども行なわれます。古建築公開では、春草廬と聴秋閣が建物内部も含めて間近から意匠などを見ることができます。
芸術と自然が調和する名庭園で小春日和の一日を満喫してはいかがでしょう。
三溪園
神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1 入園料と特別展のセット料金1000円 (11月16日は特別展は休館)
■ライター・関屋淳子
『サライ』現役ライター。酒と桜をこよなく愛する虎党。女性トラベルライターの旅情報発信サイト『旅恋.com』代表。
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