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2009年10月 1日 はてなブックマーク - 第3回 薄型大画面のハイビジョンテレビにも対応した映像処理を行なう職人たちこのエントリーを含むはてなブックマーク Twitterにつぶやく

第3回 薄型大画面のハイビジョンテレビにも対応した映像処理を行なう職人たち

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オリジナル作品では見えなかった
細かいディテールが甦ってくる

0301_3 クリーニングされたフィルムは、テレシネの作業に移る。テレシネとは、フィルムをビデオ信号に変換する工程、もしくはその機械を指す業界用語。テレビで放送するためには不可欠な作業だ。ここでも時代の要請を受けた職人たちの技が光っていた。

フィルムは、英シンテル社の『ミレニアムⅡ』というテレシネ装置で、アナログ信号からデジタル信号としてHD化される。この装置は、日本では東京光音にしかないもの。映写する際の光源にCRT(ブラウン管)を用いるためフィルムを傷めないなどの利点がある。

0302_2 第1回で触れたとおり、東京光音では、ネガ・フィルムからテレシネを行なう「ネガ・テレシネ」に力を入れている。オリジナルを扱うことを誇りにする職人集団だからこそ、こうした投資も厭わないのだそうだ。

テレシネ装置でフィルムをスキャニングし、カラーコレクター(色彩調整装置)を用いてカットごとに色彩調整を行ない、その色彩データを専用PCに記録する。

その後、HDメディアに変換する工程に移る。

「ここでも1カットごとに首の肌色などを参考にしながら、顔のメイクの色を調整するなど、色味のバランスを整えています。このほかフィルムに映っている情報を、ハイビジョン時代の画質にするために、どれだけ引き出すかといった作業を行ないます。ピント、ディテールの表現を、オリジナルの映像を考えながら再現していきます。『木枯し紋次郎』でも行なっているネガ・テレシネのメリットのひとつはネガフィルムの持つ情報量の多さ。髪の毛の1本1本や着物の縞柄などがいきいきと甦ります。1本の映像は、1人の職人が最後まで責任を持って担当します。これも仕上がりのばらつきを防ぐノウハウのひとつです」(松本さん)

興味深いのは、HD(ハイデフィニション。高解像度、高画質、高精細の意)化されたテレビも意識して映像処理されていること。いま店頭で売られているハイビジョン対応の薄型大画面テレビは、以前のテレビに比べると表現力が格段に上がっている。こうした時代の要請にも応えて、映像は仕上げられていく。

欠損したコマも再現してしまう驚愕の最新デジタル技術を導入!

0303 テレシネされた映像は、最新コンピューターによる仕上げ作業をする。ここでは、クリーニング作業で取り切れなかったゴミなどが除去される。ここでは元の映像になかったキズ、汚れを検知して画面に表示し、それが必要なものか否かを職人がひとつひとつチェックする。

「当社では、ハリウッドなどでも使われている最新コンピューターで映像処理をしています。たとえば雨のシーンは、それがゴミかどうかが目で見ないと判断できない。それをひとつひとつチェックしてノイズならば除去し、元のフィルムにあった映像ならばいかす。こうしたことを地道に行ないます」

パラキズ、フィルムのつなぎ目などがあるため、そこの映像を復元しなければならない。その際は、前後のコマから失われた映像部分をはめ込んで再現
する。

「『木枯し紋次郎』は、主人公の笠の動きが独特で、映像を修復する場合は、藁の編み目が自然につながるようにする為、作業の手間がかかります。このほか着物の縞柄をひとつひとつ合わせていかなければいけないのも、時代劇ならでは作業ですね」(松本さん)

このコンピューター処理の作業は、1本あたり約30時間もかかる地道な作業。『木枯し紋次郎』では、平均で300カットすべてが職人たちの手で仕上げられていく。最後に松本さんは、次のように話す。

「私たちはクリエーターじゃないので、作品を本来の姿に戻しているだけ。出来上がった映像は、オリジナルと同等か、それ以上の映像に仕上がっていると自負していますが、見ている人たちに私たちの仕事が気づかれてはいけない。作品全体を見て感動してもらうことがいちばんの喜びです」

こうして出来上がった映像が、時代劇専門チャンネルHDの作品として、視聴者に届けられる。その舞台裏で私たちが気づかない仕事をする職人たちに出会い、もうひとつの物語を知ることが出来た。

※モニターの画像は全て「木枯し紋次郎」(C)C.A.L

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「木枯し紋次郎」の魅力に迫る

「株式会社 東京光音」

古いフィルムの状況に対応した修復技術とシンテル社(英国)のテレシネを使用し、色・濃度補正をカットごとに行い高画質、高品質のデジタル映像の復元を行う会社。

http://www.koon.co.jp/

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