美術館、鮪、坂の上の雲を特集した12月号、本日発売
静謐な空間で名作を眺め、著名建築家設計の館内を散策、手入れの行き届いた庭で寛ぐ--本日発売の『サライ』12号では、身近にある「知」と「安らぎ」の場所である美術館の楽しみ方を特集しています。
巻頭提言は、日本で初めて「美術館」と名乗った岡山県倉敷市の大原美術館館長・高階秀爾氏による美術館への誘い。「現在、日本の美術館は名品を鑑賞するだけの場から、異文化を体験する場へと変わりつつあります。(中略)美術品の最大の効用は、ひとをくつろがせ、心地よくさせることです。あまり堅苦しく考えず、お気軽に美術館までおいでください。芸術が心の糧となり、人生を豊かにするのは、間違いないのですから」と大原氏は語ります。
第1部は、「そも、美術館とは何か」。ここでは、歴史、目的、学芸員の仕事から多彩なサービスに美術館内のレストランまで、その楽しみ方を紹介します。「美術館と博物館の違いは?」「学芸員とキュレーターは異なる職種?」など、素朴な疑問に答えるQ&Aを設け、初心者にも楽しんでもらえる工夫も凝らしました。
第2部は、「では、美術館とは何か」。「ああ、良かった」から一歩踏み出すための美術鑑賞の基本と真正面から向かい合います。この秋に実際開催されている8つの展覧会から「近代美術の曙」「印象派の進化」「ルネサンスとバロック」などのキーワードをピックアップ。ここから鑑賞の楽しみを増し、味わうための方法を探っています。
続いての特集は「赤身」。巷の鮨店にトロは溢れていますが、日本人が愛してきた本物の赤身は、いまでは希少な存在になりつつあります。鮪を味わい尽くすと最後に行き着くと言われるのが近海のクロマグロの赤身。「赤身が最も旨くなるのは、これからです。10月以降の腹カミの赤身を一度でも味わった人は、もう鮪から離れられなくなりますね」(『入船寿司』主人・本多克己)、「もう50年間鮪を扱っていますが、いまだに新しい発見があるくらい、赤身は奥が深いものです」(『日本橋 寿司金』主人・秋山 弘)など、鮪の赤身の旨さを徹底的に掘り下げています。
さらに司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』を読み直す特集も掲載。正岡子規、秋山真之、秋山好古ら登場人物たちの人物伝、ゆかりの地を訪ねる旅など、司馬遼太郎が描いた明治の日本人の青春群像をさまざまな角度から堪能できる構成になっています。評論家・山崎正和さん、日本総研会長・寺島実郎さん、女優・真野響子さんらによる「坂の上の雲」談も、読み応えのある内容。ぜひ、手にとってご覧ください。
このほか創刊20周年記念企画として、本誌連載で同じみの画家・堀 文子さんと自治医大教授・渡辺英寿さんの特別対談、読者参加ツアー「奈良を歩く」報告、第10回『サライ』風景写真大賞受賞作品発表など盛りだくさんの内容です。
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