真っ先に花開く可憐な長興山の枝垂桜
神奈川県小田原市にある長興山の枝垂桜。市の天然記念物に指定される樹齢約340年の枝垂桜です。優美な姿を見せてくれるのは3月下旬から。ちょうど小田原城の染井吉野も見頃になる時期です。
長興山の枝垂桜は、江戸時代初期に小田原藩主であった稲葉氏一族の菩提寺である、紹太寺にあります。この枝垂桜は、春日局の孫にあたる稲葉正則が、「春を忘れぬ形見に」と植えたものだと伝えられています。紹太寺は、往時は七堂伽藍の整った大寺院でしたが、幕末と明治時代の火災でほとんどを焼失。現在は清雲院が残り、紹太寺の寺号を継いでいます。
最寄り駅は箱根登山鉄道入生田駅。普段は静かな駅も桜の便りとともに多くの花見客で賑わいます。駅からは住宅街を抜けて、紹太寺の山門を見ながら、坂道を登って山の中腹へと進みます。できれば履きなれた靴がよいでしょう。息を切らして坂を登ると、緑濃い山の斜面を背景に、凛とたたずむ枝垂桜の巨樹が目の前に現れます。
高さ約13m、根元周囲は約4.7mという巨木ですが、四方に枝を広げる様は、優雅な趣にあふれています。多くの観桜客の歓声があがるのも頷ける花姿です。午前中の柔らかな光を受けて初々しく輝く姿や、夕日を浴びて化粧をしたように花色を濃くする姿もいいものです。以前行なわれていたライトアップは、桜のことを考えて現在は行われていません。
この桜を堪能したあとは、市内に聳える小田原城址公園の約350本の染井吉野を楽しまれてはいかがでしょう。天守閣に上がれば、眼下には波打つようなピンクの雲が広がります。開花時期にあわせて桜祭りが行なわれ、18時~22時には夜桜見物も。お土産には名物の蒲鉾も、よりどりみどりです。
小田原市経済部観光課
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/index.html
■ライター・関屋淳子
『サライ』現役ライター。酒と桜をこよなく愛する虎党。女性トラベルライターの旅情報発信サイト『旅恋.com』代表。
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