古きよき佇まいを残す「学士会館」探索
現在発売中の本誌『サライ』8月号の特集「東京大学を遊ぶ」で訪ねた学士会館。小学館のすぐ近くにありながら足を踏み入れたのは、じつはこれが2度目。煉瓦色の重厚な雰囲気のためか、なんとなく敷居が高い感じがしていたのですが、食事や打ち合わせ、宿泊にフルに利用できる施設であったことが分かり、目から鱗の落ちる気持ちでした。
赤い絨毯が敷かれた館内に入ると、建築家・髙橋貞太郎の手によるクラシカルな建築美が随所に残り、おもわずキョロキョロしてしまいます。建築・産業遺産好きを自称する私にとっては、取材で伺うお話はどれもこれも興味深いものでした。髙橋貞太郎は国の重文に指定された日本橋髙島屋を設計したことでも知られています。その縁で、建築細部の調査も進み、髙島屋との共通点も発見されました。そのひとつが、髙島屋の柱頭飾りに用いられているアカンサス(葉アザミ)が、学士会館のレストラン「ラタン」の柱にも彫られていることでした。ラタンはかつて談話室だったところです。また、旧館ロビー天井の見事な漆喰彫刻や、昭和初期のステンドグラス、磨きこまれた真鍮など、細かく見れば見るほど唸ってしまいます。100年ほど前に製造されたという柱時計があり、今も現役で、正時にはウエストミンスター・チャイムを奏でます。
館内でも昭和3年の建築当初の面影を色濃く残しているのが2階にある集宴会室・201号室です。優美な曲線を描くホール、その正面にはバルコニーが設置され、かつてはここで弦楽四重奏曲などが演奏されたとか。8月31日まで、この会議室はビアホールの会場となっています。優雅な雰囲気で暑気払いが楽しめそうです。
宿泊のホテルや結婚式場もあり、1階にはレストランのほか、気軽にランチやティータイムができるカフェ&ビアパブ「セブンズハウス」があります。ここでは、7大学のロゴの入ったコーヒーカップが用意され、好きな大学のカップでコーヒーも。なりきり東大生やなりきり北大生といいながらはしゃぐOLの方もいるとか。館内の一角には7大学情報コーナーも設けられています。
そうそう、学士会館はまた、日本野球発祥の地でもあるのです。日本野球の原点を記念した碑も立っています。探してみてくださいね。
学士会館
http://www.gakushikaikan.co.jp/
■ライター・関屋淳子
『サライ』現役ライター。酒と桜をこよなく愛する虎党。女性トラベルライターの旅情報発信サイト『旅恋.com』代表。
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