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奈良ホテルのスタインウェイピアノ

2_2 関西を代表するクラシックホテル『奈良ホテル』。緑豊かな奈良公園の一角にあり、古都・奈良散策の拠点に相応しいホテルです。明治・大正期の建築家・辰野金吾(たつのきんご)らの手による檜造りのホテルは創業100年を越え、今も皇室をはじめ多くの著名人に愛されています。今年5月、ホテルの調度品のひとつとして、メインダイニングルーム『三笠』に展示されていたスタインウェイ社のグランドピアノが修繕を終えて、美しい姿で帰ってきました。これを記念してホテルではスペシャルランチやケーキ、カクテルなどを6月30日まで供しています。

 このグランドピアノは大正11年(1922)、ドイツ・ハンブルグの工場で製造され、船便で神戸に陸揚げされ、その後、当時奈良ホテルを経営していた鉄道省がホテルの備品として購入し、奈良駅まで列車で運んだといいます。世界的に著名なスタインウェイ社、さらにヴェルテ・ウンテ・ゾーネ社の自動演奏装置が付いていたという非常に珍しいもので、ピアノには両社の名前が記されています。当時の国家公務員の初任給の約70倍、5000円という高価な品。残念ながら自動演奏機能は取り外されており、今回の修繕ではピアノとしての復活となりました。

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進駐軍接収時代にはパーティの主役として活躍し、また多くの貴賓がその音色に耳を傾けたピアノ。美しい木目の姿はホテルの歴史の証人なのです。ホテルではこの歴史的ピアノの復活を記念して、メインダイニングルーム『三笠』ではスペシャルランチ『レッジェーロ』(4042円)を提供。さらに弾む音色をイメージした古代米のケーキのセット『メロディー』(1600円)や、オレンジと紅茶のリキュールをベースにしたカクテル『セレナーデ』(1500円)も楽しめます。

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歴史のロマンを秘めたピアノに思いを馳せる。そんなランチや午後のひと時を過ごしてみてはいかがでしょう。

◇問い合わせ先 
奈良ホテル 奈良県奈良市高畑町1096 電話0742・26・3300
URL  http://www.narahotel.co.jp

■ライター/関屋淳子
本誌『サライ』ライター。酒と桜をこよなく愛する虎党。女性トラベルライターの旅情報発信サイト『旅恋どっとこむ』(http://www.tabikoi.com)代表。近著に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエブックス)ほか。

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